リアルの世界とデジタル(virtual)の世界の価値

Yahooの特集記事

デジタル時代にリアルの魅力ーー音楽の未来と価値とは
http://news.yahoo.co.jp/feature/318

4人のインタビュー記事です。
一人目はBABYMETALのプロデューサー KOBAMETAL氏
二人目はJ-WAVEナビゲーター クリス・ペプラー氏
三人目は東洋化成の小林氏
四人目はNexToneの荒川氏

KOBAMETALはLIVEを重要視し、かつネットの世界も活用することで「『デジタルデータのやり取り』を、ひと回りさせて『人と人とのコミュニケーション』にまで戻せたアーティストだけが新たな価値を生み出せる」と締めくくっている。

これはある程度正論だと思う。

私が立ち上げた個人事業の屋号はRVCommunicationsと長ったらしいのだが、RがReal、VはVirtualを意味していて、Realの後にVirtualのコミュニケーションを追加することで、より密なコミュニケーションが行えるという主張から名付けた。realだけ、もしくはvirtualだけでは不十分なのだ。

インターネットが出てきて、リアルタイム遠隔コミュニケーションができるようになった時(20数年前かな)いろんな実験が行われた。笑ってしまったものに日本の小学校と海外の小学校の間をテレビ電話でつないで、「子供たちの交流を深めよう」というもの。
「おー、凄いことができるようになったのね」と思うのは大間違い。
「知らない人と何を話すのかな?会話の台本でもあるのか」と思わないのだろうか?
「コミュニケーション手段を提供できる」と「コミュニケーションする」は本質が違う。

デジタルコミュニケーションは会って人となりを知った上で行えば、多くの情報を交換することができる。
2chを読めばすぐわかる。人となりそのものが架空の世界なので、反吐が出そうな言葉が並ぶ(全部のスレッドがそうだとは言わないが)。相手を知っていれば、とても発言できる内容ではない。
Facebookはその架空の人格を実名主義により排除した。でも会ったことがない人でも友人登録することができる世界がまだ残っているので完全に排除したとは言えない。


「デジタルで知り合って、実際に会ってみる(昔はオフ会と言っていた。今の出会い系ではない)」ことの逆の「実際に会って、そのフォローをデジタルコミュニケーションで行う」が大変効果が高い。相手を知っているので、コミュニケーションの共通基盤を共有しているからだと考える。2回目のオフ会が初回より盛り上がるのは、Virtual⇨Real(初回オフ会)⇨Virtual⇨Real(2回目オフ会)のサイクルにより途中にReal⇨Virtualのプロセスが1回含まれているからだと思う。

デジタルコミュニケーションの一つ、インターネットのテレビ電話(ビデオチャット)も同じことなのだが、テレビ電話で密なコミュニケーションを行うには、会ったことがある以上にもう一つハードルがある。(これは別途書いてみたい)


話を音楽に戻すと、音楽パッケージがネットのビジネスモデルで転換を余儀なくされ、さらにネットのビジネスモデルにはリアルが必要と分かってきた転換期にある。リアルの空間を共有する(握手会やライブがこれ)価値が高まっているとKOBAMETALは言っていると思う。
これは数字でも明らかになっている。

”CDからの脱却”急ぐ音楽関連会社、ライブは10年前の3倍に
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20150515/1064488/

デジタルデータの価値ではなく、「空気」を共有する価値が見直されていると思う。


クリス・ペプラー氏は「普通のライブではもうお客さんは来てくれない」ところまで言及している。一過性リアル社会におけるその場のコンテンツ価値、これを高められるかどうかということ。

こう書いていると、インターネットはデジタルはVirtualはRealのコンテンツ価値の補助的手段であることがよく分かる。音楽業界で言えばライブビューイングが良い例かもしれない。


三人目、四人目は「何を今更」感が強いし、この記事の切り口と違う内容だ。読まないほうが良い。
レコードとレコード針の方式に代わるアナログ音源のアナログな伝え方が発明されないことが問題。
著作権管理に至っては全く別の話題。二つとも「リアルの魅力」のタイトルの記事には全くそぐわない。

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